2018年のテーマ
2018年のテーマはFill the Gapです。
去年自分は、そこまで対外的にアウトプットを積み重ねきれず、
仕事で成長しつつも、そとからはあまり見えないという苦しみを抱えていました。
外からの自分と今の自分、そのギャップを見えるかし、埋めるフェーズ。
それが今年になると思います。
また、事業面でも、行き届いていないユーザーの「ジョブ」を満たしてあげて業績という形でフィードバックしてもう一段階上にもっていく必要もあります。
あるいは、今のプロダクトでは難しいと思ったら自分でなんらかのプロダクトをつくったりするかもしれません。
「やりたいこと」と「あるべきこと」とのギャップを埋める年にもなるでしょう。
今後2019, 2020と進んでいく上で、自分のポジショニングを明確化する。
それが今年の抱負です。
2017 読んでよかった本 5選
2017年も残り1日にとなりました。
今年読んでよかった本
1. フォークの歯はなぜ四本になったか
2. 新しい市場のつくりかた
3. ヤバい決算書
4. マーケットデザイン
5. ジョブ理論
1. フォークの歯はなぜ四本になったか
デザイン、それはプロダクトの価値を大きく左右します。
デザイナーがいて、考えに考え尽くされた結果そのデザインになる。
これが現代におけるデザイン過程のイメージです。
ではフォークはどうでしょうか。
いろんな形が大量に発明されて、それぞれの形にそれぞれの理由があって、
誰か一人の天才が生み出したものではないことがこの本を読むとわかります。
デザインとは、失敗と、発明の歴史の賜物であることを噛み締めるのに
良い本です。
フォークの歯はなぜ四本になったか 実用品の進化論 (平凡社ライブラリー)
- 作者: ヘンリー・ペトロスキー,忠平美幸
- 出版社/メーカー: 平凡社
- 発売日: 2010/01/09
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
- 購入: 11人 クリック: 87回
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2. 新しい市場のつくりかた
市場とは、どのように生まれるのでしょうか。
昨今ではマーケティング - ポジション、セグメント、ターゲティング- と的確に
狙い撃ちされてマーケットが動いていくように見えます。果たしてそうでしょうか。
ビジネスで成功する方法の一つにブルーオーシャン戦略があります。
あなたにとっての問題は、誰かにとっての問題でもあります。
自分に感じた問題を解決するものをプロダクトにして、実際のマーケットにしてしまう。
誰かの一声がプロダクトを生み出し、文化へと変化し、市場に成長します。
何気なくあなたが使っているものも何処かの誰かの一声から生まれたものかもしれませんね。
この本は、市場に対する敷居を大きく下げてくれる力を持っています。
3. ヤバい決算書
財務分析から企業の問題は発掘できるか、を考えるのに面白い本でした。
決算短信や、言葉、実際の貸借表を書いてみるとおかしさに気づいたり、やはり
問題をはらんでいる会社はどこかに予兆が現れるものです。
数字のマジックにとらわれないように見抜く力をつけましょう。
4. マーケットデザイン
マーケットデザイン - 板寄せや、オークション、はたまた人のマッチングと現代では様々なもの・ひとがマッチングしあう時代です。
全体最適とは何か、需要と供給、物の値段はどうやってきまるのか。
こういった分野はノーベル経済学賞では最近のトレンドになっています。
一見科学が介在しにくそうなところにこそ、ゲーム理論などをつかってあるべき姿を見通す力が生きる時代です。
人同士はどのようにマッチングすれば全体最適になるのか、
物の値段は何をルールにオークションすればプラスサムゲームになるのか、
そういったことを考えるのも面白いですよ。
マーケット・デザイン オークションとマッチングの経済学 (講談社選書メチエ)
- 作者: 川越敏司
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2015/02/11
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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5. ジョブ理論
あなたの解決したいジョブはなんですか?
普段意識しないものの、人はサービスや商品を手に取るとき、解決したい課題が常に存在します。
マクドナルドを食べたいと言っていながら、実は「小腹が空いていて近くにある店がマクドナルドだから」という理由でそういっているのであればそれは「小腹が空いているのを満たす」というジョブを解決するためにマクドナルドを利用しているだけだったりします。
企業はそれを見抜かなければ、商品の種類を増やしたところで顧客はついてこないですよね。「ジョブ」の視点にたって初めて、「腹にたまるバーガー」開発へ向くわけです。
プロダクト、マーケティング、そういったものにフォーカスするのみならず顧客の「ジョブ」を基軸に考える。これがコト消費時代の生き残るための分水嶺になるのかもしれません。
ジョブ理論 イノベーションを予測可能にする消費のメカニズム (ハーバード・ビジネス・レビュー読者が選ぶブックランキング第3位! ハーパーコリンズ・ノンフィクション)
- 作者: クレイトン M クリステンセン,タディホール,カレンディロン,デイビッド S ダンカン,依田光江
- 出版社/メーカー: ハーパーコリンズ・ ジャパン
- 発売日: 2017/08/01
- メディア: 単行本
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面白かった本5つを紹介しました。おすすめです。
戦略
戦略。戦いを略すと書きます。「しないことを決めること」です。
たくさんある選択肢の中からやらないことをぽいぽい決めて、
やることだけに集中して進めていくこと。これが戦略です。
戦略を使う場面はたくさんあります。読書、投資、キャリア、掃除、、、などなど。
・戦略的読書
読まない本を決めることです。これは少し難易度高い。
というのは、その本を読むべきものかどうかは読む前にはわかりにくいからです。
けど、その本の位置付けを自分の中に定義していれば、それが必要かどうかを
分けることができます。
たとえば、
小説しか読まないと決めている人は、ビジネス書に手をかけません。
ここまではっきりとした線引きは難しいかもしれません。
その時について一番役立つのは読まずにして、本の中身を知ることです。
書店には、「本についての本」というジャンルの本が置いてあります。
「〇〇の名著30」、「読むべき△△のすべて」というのがそれにあたります。
気になってる本があったらビュッフェのように、つまみ食いしてみて、
本当にそれをばっかり食べしても大丈夫かを事前に知ることが、
戦略的読書への第一歩です。
・戦略的保有(投資)
持たない株を決めることです。こちらは読書よりも簡単かもしれません。
自分がついていきたい会社を決めて、なぜついていきたいかを明確化できればいいのです。会社には経営戦略・企業理念・成長性・コーポレートガバナンス、と実際に株を持たなくても知れるメタ情報がたくさん存在しています。それを理解して判断すればいいのです。
やっている事業ドメインベースで判断してもいいかもしれません。
分厚い「四季報」(事業の進捗とか、内容が書かれている本です)とかを見てもいいですし、ネットで調べて見てもいいかもしれません。
戦略。人間の最大の資産は時間です。
普段は、優先度をつけて切るための基準に時間を用いています。
本棚にたくさんの本を持っていても、今後それを読む時間はやってきますか。
たくさんの会社の株を持っていても、今後その株管理できる時間はありますか。
自らの等身大を見つめ直して、本当に自分にとって大切だと思うものに費やす。
それが戦略です。
足るを知る(老子)というのは一見すると、質素倹約が良しとされているようなイメージを受けますが、そうではありません。戦略的に物事を選択できていますか。その器はあなたの等身大を捉えていますか。ということを言っているように思えます。
地の利の科学
四月。北朝鮮とアメリカの睨み合いで経済は波乱の一か月だった。
一見すると、それだけのように見える。けど真実はこうだ。
ランドパワーの中国とシーパワーのアメリカの睨み合い。
地政学という学問はこういう眼を与えてくれる学問だ。
地政学を学ぶことで、「地の利」と政治の関係を学ぶことができる。
地政学の祖と呼ばれるのはマッキンダー。彼はイギリスの地理学者。
彼は著書の中で次のようなことを提唱している
世の中は二つの力に分かれる。大陸をもち陸の力を制するランドパワーの勢力と、
海の力を制するシーパワーの勢力にわかれる。
そして、世界の真ん中に存在する世界島(ユーラシア大陸)の心臓部分(今でいうところのロシア・中国あたり)を制する者は、この世界を制するだろう。
これがものすごくざっくりとした地政学の世界観だ。
加えて、中国・ロシアは陸を収めし、ランドパワー、アメリカはシーパワーである。
アメリカも大きな大陸をもっているからランドパワーのように見えるが、国を大陸としてみるか・島としてみるかの定義は、周囲に脅かす国々が存在するかどうか、である。
アメリカは武力で周りから直接脅かす存在がないという点で、島なのである。
分類にはシーパワーにあたる。
それでいうと日本もシーパワーだ。シーパワー国家では、国土が小さければ小さいほど、国土を守るために必要な武力も少量で済む。持て余した武力を外部の植民地化に割くことができ、侵略を積極的にできる特徴がある。その文脈でみれば、イギリスのようにかつて大きく植民地を持ったことも納得できよう。
ニュースでなんなく流れていることがらも、地政学の眼鏡をかけるだけで、勢力が逆転したり、見方が大きく変わったりもする。
世の中は思ってるほど簡単じゃないけど、思ってるほど複雑でもないかもしれない。
- 作者: ハルフォード・ジョンマッキンダー,Halford John Mackinder,曽村保信
- 出版社/メーカー: 原書房
- 発売日: 2008/09/27
- メディア: 単行本
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視座の変化
今年から会社がスクラムをやり始めた。
それもあって、ここ数ヶ月、エンジニア兼スクラムマスターとして働いていた。
振り返ってみると転職した当時と自分の視座が大きく変わったので簡単にメモ。
「できるエンジニアになるんだ(キリ」
そうなってた自分が恥ずかしいくらいに視点が変わってた。
個人のできることは限られているし、自分のエンジニアリングも大したことない。
組織で働くことの意味はレバレッジをつかえることにある。
会社規模が100人くらいの会社の人は、自分一人の100倍以上のことが組織で成し遂げられる可能性を持っている。
自分がどう働くか、はもちろん大事。
けど、自分自身が組織、事業のレイヤーでどこにいるのかをわかって、それをうまくつかったほうが結果もコミットできるし、自分の負担も軽減できる。
スクラムをやっててそれは強く感じたところ。
スクラムは組織の自己組織化を促進する。
自己組織化というのは、言ってみれば自分たちでどうするかをかんがえて、
組織自体がまるで一つの生命体のように振る舞えるようになること。
それこそまさに組織で働くことの魅力だし、価値だ。
だから今は「自分は」という主語は捨てて、「私たちは」とか「〇〇(事業名)として」という表現になってきつつある。
有機体の一部であることは、見方によっては社会の歯車に見えるかもしれない。
けど歯車はそれ単体では何にもならないが、有機体の一部もまた思考を持っていて、
それ自体で動くことができる。
これが、高度経済成長時代の組織と今の組織のあり方の差分なんだろうな。
転職おじさん。
去年、職場を変えたが、ものすごく働きやすい環境で満足している。
友達の仕事の辛い話を聞いたりするときによく口に出るのは、「石の上にも三年」論理だ。三年経つまでは転職しないということだ。
思うに、
日本人は「置かれた場所で咲きなさい」の理屈が強すぎる。
自分の行った選択を重んじて、素早く切り替えたり、省みるのが苦手だ。
ひょっとするとそれは農耕民族だからかもしれない。
狩猟民族だと、素早い判断が求められるのに、農耕民族は結果が出るまで待つという判断をする。肉食動物相手だとそんなことしてると首根っこを食いちぎられかねない。
こういうのを見ると思うのが「日本は最も成功した社会主義国だ」という言葉だ。
同調圧力、無宗教という宗教、小さな文化の積み重ねが社会の意識の礎を築いている。
でも大事なのは「置かれた場所で咲けるか」だとおもう。
人間は、移動できる。咲くのに必要な水分や日光を求めて。
自分の人生の一日、一日はもう二度とやってこない。
後悔したその日も、ストレスを抱えて働いたその日も。
だから決断はすばやくし、行動をしたほうがいい。
そう思ってるから友達に、本質的に問題を感じていて、それを自分で解決できないなら転職をしてみたらいいと勧めるようになった。
完全に転職おじさんである。