めんどくさいの正体

めんどくさいの正体。それはめんどくさい。

めんどくさいと思ったらその時点でめんどくさくなる。一種の呪いみたいなもの。

 

実際の作業量とか、そういうものではなく、呪いです。

 

「Aを実現するにはBの方法しかできません」と言ってしまうことがある。

これもまた呪いの一つだと思う。

 

特に日本人は呪いにかかりやすい民族だ。

例えば、日本とアメリカの国際的な立場を見ればわかるように、マッカーサーが日本に対して日本には力を持てないように呪いをかけた、と思い込めば、アメリカに対しては呪いをかけた相手として「恨み」を持って向かう。一方、アメリカはそんなつもりは無いので、呪いを解け、と言ってもなんのこっちゃ?という顔をする。

 

エンジニアでも「これはAの方法しか無いからめんどくさいです」と言ってしまう人も多い。これは、出来ないですとめんどくさいですのダブルの呪いがかかってるわけです。

 

「ハック」と言うと人によっては訝しげな顔をするかもしれないけど、これは「物事をうまく解決する」というのも含意されている。

エンジニアの仕事は「問題をうまく解決すること」であって、方法を決めることではない。「その方法しか無い」という呪いが起きそうならその呪いがまず問題として考えなければならないことであって、自分に呪いをかけつづけて自分を呪い殺そうとするのは「非生産的」だなあと思う。

 

めんどくさいの呪いと同じく、理想的、も「理想」だから、理想的なのだ。

それを自分の思い込みに用いるのも間違っている。

現状に対してどう戦って解消するかがやるべきことなのにもかかわらず、「そもそも」という「理想」を用いるのは最も意味のないことだと思う。

 

自分が「こうあるべきなのに」という理想に対する愚痴が全く効用を生まず、聞いてる人も話してる人も何も生産しないのはそれが「理想に対する愚痴」だからであって、

「現状に対して解消するための苦悩」ではないからです。

 

職場がこうあるべきなのに「こうでない」と愚痴を言うタイプはどこへいっても同じことを繰り返すと思う。「隗より始めよ」ではないけども、まずは自分の眼の前の現実と向き合って闘うところから始めなければ、自分に対する呪いは解けない。

 

 

邪悪なものの鎮め方 (文春文庫)

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