反知性主義(2)
反知性主義 - 「あなたが何を言おうと私が正しい。異論は認めません」といった考え方。
世の中はどんどん反知性化していく。正しさの定規が柔らかさを失って、決して折れない頑固な定規になりつつある。日本は反知性の先進国だ。
リーダー組織で一番やってはいけないことは「俺が正しいからとりあえずついてこい」という支配型組織であった。ピラミッド型社会・組織ではそういうことがありがちだが、果たしてそれは思考しているのだろうか。
反知性の対極にあるものは「ハック(Hack)」という考え方だったりするんじゃないかなと思ったりする。
ハックという言葉になじみのない人には「悪いこと」といったバイアスがかかっているかもしれない。しかしそうではなくて、ハックの本質は「思いもしない方法で問題を解決すること」にある。この「思いもしない方法」というのが「反知性」の対極にあるのではないか。
教科書主義・マニュアル主義・多数決主義・家族国家の強い日本ではなかなかハックは生まれない。
少し前から「デザイン思考」という考え方が普及している。これは「問題の本質を見極めて、何度も試行した末に、解決方法を見出す」ようなものだ。デザインコンサルファームIDEOが広めたもので、人々の潜在的な問題を、従来のアンケートや意見ではなくその行動から見出すという方法で、これも一種の「問題に対する解決の問題」の「ハック」だった。
シンゴジラよろしく、「新しい方法はありません」「誰もやったことがないのでわかりません」と等身大を言い訳に使う民族性の強い日本人にとって、「そもそも何が問題で、何が必要か」を閃くのは難しい。
その中で生き抜くべき生存戦略は、組織の全員に権利を与え、ゲームに参加させる、ということなんじゃないかな。みんなに考えるチャンスを与え、決める権利を与える。少しずつの滲みだした思考が大きな粋になって力を持つ機会を得るためには、アメーバ的にチームを動かすしかないと思う。
何が正しくて何が正しくないか、そしてそれはどこからそう思ったのか。人に話しかけてその人が走り出してしまうような答えを得るには、「ハック」しつづけなければならないとおもう。
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