2018年振り返り
今年は大殺界一年目かつ、八方塞がりの年ということでいろんなこともありましたが、学べたことも多かったです。キャリア・資産運用・価値のコード・来年の抱負に分けて書きます。
エンジニアキャリア
昨年はスクラムマスターをやり、今年は職能別組織のチームマネージメントをやる立場につきました。去年の、「やりたいこと(PM)とできること(開発チーム)」との間をとりもった経験もあって、「会社としてやるべきこと(プロダクトロードマップ)とやりたいこと(開発チームからの技術負債対応)」も比較的うまく良い塩梅で進められたのではないかと思います。
自分自身がとりたててiOSのみに特化したタイプのエンジニアではないこともあって、開発チームに対して強く技術的なティーチングは行いませんでした。というのは、チームがうまく回るスクラムマスターはティーチングしてはいけないし、コーチングに集中するべきだ、という自分の経験に基づきます。
ティーチングとコーチング、何が違うのかというと、こちらから与えるのではなくその人から引き出すことにあります。Educationの語源となるラテン語のeducateは「引き出す」という意味があります。チームを筋肉質にして、自走性を高めるためにも、与えてはいけないわけです。
さて、年明けから自分は転職することになりました。マネジメントの立場で組織をうまく使うという経験と、その前のスタートアップの自分の実力をどんどん高めるというスタンス(よくManager / Playerで対比されるものですが)はお互いカニバルどころか、相補的な力を持っていると思います。そこに基づいて、組織のレバレッジの掛け方を理解しつつ、プレイヤーとして成果を出していくというフェーズに入ります。
チームとうまく対話し、成果を出し続けて感じたことがありました。
それはエンジニアとて、一人だけでは、何者にもなれない、という結論でした。会社組織で働く理由はなんだろう。何者でもない人がたくさん集まって何かになれる、それが会社というものの美しさだとおもいました。自分がいたエウレカはかつてないほどそれを感じる組織でした。
エンジニア組織の話でいうと、やっぱり「エンジニアリング組織論への招待」がおすすめです。スクラムの現場の本と迷いましたがこちらかなと。エンジニア組織も経営とは色が違いますが、常に不確実性と向き合っているんです。人と人、コードと人、、
エンジニアリング組織論への招待 ~不確実性に向き合う思考と組織のリファクタリング
- 作者: 広木大地
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加えて、組織、社会、データの観点からいくつか本を紹介します。
コミュニティとは、形を変えてあらゆる所に顔を表します。その役割とはなんだったのか。分散化する社会にあって、みんなが繋がる理由はなんだろう。それを知るには「ジグムント・バウマン」の「コミュニティ」がおすすめです。そして、マクロな観点から社会で人と人がすれ違うことでアイデアはどう広がっていくのか。そこを知るには「ソーシャル物理学」をおすすめします。我々一人一人のデータから、自由な時間は存在するのか、幸せのデータ化を行おうとする科学的な見地をしりたければ「データの見えざる手」が良いと思います。
文庫 ソーシャル物理学: 「良いアイデアはいかに広がるか」の新しい科学 (草思社文庫)
- 作者: 矢野和男,アレックスペントランド,Alex Pentland,小林啓倫
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文庫 データの見えざる手:ウエアラブルセンサが明かす人間・組織・社会の法則 (草思社文庫)
- 作者: 矢野和男
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資産運用
資産運用の話について言うと、今年は-500万という結果になりました。
VIXショックと、10月の暴落をもろに受け、自分とお金とのスタンスを見直すよい機会になりました。
来年は、コンテキストを大切にした取引をしたい。コンテキストとは、この株価の値段を過去に買ってき他であろう人の文脈で評価し直すということです。この考え方のもと、今はBTC FXにて練習をしています。
今年は相場の心理を理解することに後半は費やしました。物の値段は需給と心理がすべて。それを学べただけでもよかったです。
心理と需給を学べた良い本は「一粒萬倍の株式投資宝典」と「相場の心理学」、そして「トレーディングエッジ」です
上げても下げても「買い」だけで生涯資産を作る 一粒萬倍の株式投資宝典
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トレーディングエッジ入門―利益を増やしてドローダウンを減らす方法 (ウィザードブックシリーズ138)
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価値のコード
すべては相対なのです。
買いたい時に売ってくれる人は売りたい人がいるからで、上がったら売る人を買う人はこれから上がると思ってても、売りたい人はもう上がらないと思ってるから売るわけで。
そういえば、マルクスの本から抽象的な考え方を学ぶ本もよかった。
マルクスが長く讃えられているのは相対性を理解した上で、時代のどのコンテキストにも適応した文章を提供していることにあります。時代時代に応じた、価値のコード(評価価値観的なもの)に即した、内容となっているのが面白いところです。
価値のコード、これは割とトレンディな話題だと思います。
世の中は分散化すればするほど社会の価値観を評価する基準が多次元になります。
言い換えれば、マスの物差しが一次元でなくなるということです。
自分が納得するからいいや、世の中とは違うけど、と言う従来の"変わり者"扱いされてきた人がいます。そう言う人たちが、テクノロジーを通じてコミュニティを作り、場合によっては通貨を発行できちゃう時代です。そういう時代では、自分自身にこだわりを持てない人が辛くなるでしょう。自分たちがなぜ物を食べるのか。服を切るのか。ストーリーを語りたいのか。「エモい」が普及した文脈にはそういう背景があるような気がします。
来年の抱負
価値のコードからもありましたが、「こだわりぬく」これを来年のテーマにすることにします。言い換えれば、自分のコード(価値判断基準)に誇りを持つこと、でしょうか。価値に絶対的な正解はありません。
だからこそ、自分が納得いくかたちで意思決定を行い、こだわってこだわって、こだわりぬくこと。そしてそれに誇りを持つこと。それに重きを置きたいと思います。
今年もお疲れ様でした。来年も頑張りましょう。よい、おとしを。