エンジニアのあるべき論に対して思うこと
エンジニアってこれがいいよね、みたいな同調圧力が強くてダルくなることがある。
ライブラリを作って公開して、いっぱい星がついて、そういうエンジニアが最高だ。
みたいな風潮のことです。
既視感を感じたけど、よくよく大学の理学部と工学部の関係に近いかもしれないと思い始めた。
お互いそういうエンジニアが求めているものが違うんじゃないかなと思うことにした。
・物事に対して本質的な理解・解析・理論構築を行い、その先へ向かうのを大切にするエンジニア。(理学タイプ)
・物事に対して実用性を理解して理論はあまり見ずに応用的な機能・意味を重視するエンジニア。(工学タイプ)
研究畑から出てきた人は前者になりやすく、それ以外から出てきた人は後者になりやすい傾向にある。
悩ましいのは、どちらもビジネスに携わっているところです。
飛び道具的に後者のタイプが重視された結果、リテラルだけもつエンジニアが蔓延し奥底の理解が及ばないままになり、前者と後者の割合が偏りそうな危険を感じている。
お互いが相補的に価値を提供しあうのが一番の解決策だが、工学タイプの価値重視になると理学タイプの人間が委縮してしまうんじゃないか。
すこし行動経済学でノーベル賞とった「ファスト&スロー」のカーネマンの話に近い。
人間は価値判断を近視的にしがちになるが、それは非合理なことが多い。だから本質をじっくり考えて行動すべきだ
というの「ファスト&スロー」の大まかなフレームです。
だから世の中のメインストリームと全く同じフレームで評価されるために向かう必要はあまりない。自分が戦うべき場所を自分で分析して見極めて戦ったほうがいい。
ブルーオーシャンは相対的にあるものであって、絶対的に存在するわけではない。
余談だが、人間はここ数百年でとてつもなく馬鹿になっているらしい。
文明・文化・集団、あらゆるバイアス・同調圧力で自らの価値判断の基準を損ねていないか、考えて行動すべきかもしれません。
社会的パラダイムが即時性・実用性に向けば向くほど、人間の向くべき方向はどんどん馬鹿に向かっていくことになるので、世の中の向いている方向はそもそも正しいのかを考える癖をつけようと思った。
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