諦めること。そして、諦めないこと。
きっと、あの人はこう思ってる。人は他人のことを自分の立場に置き換えて考えてしまいがちだ。
けれども、そこにはエゴがある。人の考えなんてお見通しだ。というエゴだ。
そのエゴー言ってみれば一種の呪いのようなものーから解き放たれるためには、
いろんなことをシミュレーションし、打ちのめされたり、人との違いを知る経験が必要だ。
どこかの俳優がこんなことを言っていた。ー「自分が出ている映画の役に満足がいかず、どう考えても主役の方が向いてる、と監督に噛み付いたことがあったが、今なら監督の役配分が正しかったと理解出来る」。自分のエゴに囚われたり、自分の気持ちに依存したり、自分に対する防衛本能が自分を盲目にしてしまう。少し離れた視点で客観的に見れば自分が愚かだったと気づくこともあるし、逆に自分がその場所にいなければならない理由や意味もわかるかもしれない。
何かにたいして怒ったり、不満におもったら自分に問う癖をつけよう。
それは本当に存在するのか。自分が感じているだけなのではないか。
真実(実際に起こった客観的なこと)はひとつだけども、感じたことはみな違う。
例えば株式相場では市場にはマイナスの要素もなくプラスの要素もなく、安い値段で買った人に取って高く「見える」のであって、そこには符号を持たない情報が含まれている。メディアもまた、情報はひとつであって、そこに見る人の「色」が乗る。ジャーナリストから伝わる、ジャーナリズムはあっても、情報自体にジャーナリズムはないのだ。
「色」は常に危険だ。前に見た情報を優位付けたり、自分の行動を正当化しようとする気持ちが働いたりする。気持ちが合理的なのか、言い訳をしようとしてるのではないか、常に色に気をつければ、くだらないことで何かを失ったり、もったいない結末を迎えずに済みそうだ。
人の行動バイアスについて知りたくなったらファスト&スローがオススメだ。
行動経済学でノーベル経済学賞をとったカーネマンの著書であり、いかに人の心理が
合理的に見えてもどこまでも偏見はついてくるのか、くどく説明してある。
ファスト&スロー(上) あなたの意思はどのように決まるか? (ハヤカワ・ノンフィクション文庫)
- 作者: ダニエル・カーネマン,村井章子
- 出版社/メーカー: 早川書房
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人との関わり方をじっくり考えたくなったら、カーネギーの本を読むと良い。
肩こりをほぐしてくれるようなおじいさんのお話で、目の前のストレスをどう捉えたら霧散できるかを明快に説明してくれる。人に期待しすぎないこと、けれども諦めないこと。優しい心の持ち方を、様々なエピソードを通して教えてくれるのだ。自分の悩みに向き合いたい方は「道は開ける」を、人との関係を考えたい方は「人を動かす」がいい。
諦めたくないけど、諦める。諦めるけど、諦めない。自分に対しての諦めと、人に対して諦めない気持ちが何事も大事だとおもう。